資格があるだけでは収入アップしないというリアル

かつては安定していると言われた税理士や弁護士などの「サムライ士業」というビジネス。
そんな士業も時代とともに厳しい競争にさらされるようになってきました。
「○○税理士事務所」「○○法律事務所」という看板を出しているだけで仕事が舞い込んでくるような時代ではありません。

資格があるだけでは「商売として食っていける」ような時代でなくなった今、どのように生きていけばよいのか?
独立開業してビジネスを始めるにあたっても、それなりの覚悟と勇気と戦略が必要になります。

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サラリーマン士業の年収は高くない

こういう経済環境ですから、税理士や弁護士などの資格を取得したとしても、独立開業せずに大きな法律事務所や会計事務所などで勤務する人も増えています。
ただ、勤務している税理士や弁護士、いわゆる「サラリーマン士業」の年収はそれほど高いものではありません。
世間一般的に言われている相場よりもかなり低いのが現状です。

2020年の税理士の平均年収は約960万円という統計調査があります。
この数字は開業してバリバリやっている税理士から、税務署OBとして細々とやっている税理士、若手で登録したばかりの税理士も含んでいるところの数字。
年収が1億円を超える人もいれば100万円も無い人もいます。

日本全体の40歳代の平均年収が500万円ほどと言われています。
そこと比べると少し高いような気がしますが、税理士の平均年齢が約60歳を超えているということを考えるとそんなに変わらないかもしれませんね。
年収だけで考えれば、平均的な税理士は大手企業のサラリーマンとさほど変わらないでしょう。

ただ、大企業であればある程度の退職金を見込めますが、税理士の場合にそこまで多くの退職金を用意できるような会計事務所はありません。
福利厚生にしても大企業に及ぶわけもありません。
いまだに社会保険に未加入の士業事務所も多いのが現実なんです。
(個人経営の税理士事務所であっても社会保険に加入が義務付けられはしたのですが、まだまだ未加入の規模のところも多いようです)

税理士資格を取って会計事務所に転職すれば収入も上がるぞ!

大手企業に勤めている方が一念発起して、年収アップを期待して税理士の勉強を始める方がいます。
年収だけで考えれば、間違いなく期待外れに終わるので気を付けた方が良いかもしれません。

資格があるだけでは収入は増えない

「税理士の資格を取れば年収も飛躍的にアップするのでは?」と人生一発逆転をかけて税理士試験にチャレンジする人も多いです。
税理士だけでなく、弁護士や社労士、司法書士などの士業資格に挑戦する人もいます。

現実はそんなに甘くありません。
20歳~30歳代前半くらいまでであれば年齢的に求人数も多いですが、30歳代後半以降になると一気に求人数も減少します。
とくに実務経験がなく資格だけ保有していますという人の求人は非常に少ない。

実務経験のない30歳代で勤務税理士の求人だと、年収400~600万円がいいところ。
大手会計事務所であれば資格が無くても20歳代で年収500万円くらいもらえるところもあります。
ただそういう高給が期待できる人材は「下手な税理士よりも処理能力が優れてる」人たちなんですよね。

資格よりも実務能力が重視される時代なのです。

なので、税理士を目指されている方が

仕事を辞めて税理士試験の勉強に専念したい!

という相談をワタシにしてきたら、間違いなく

大変であっても仕事をつづけながら勉強をつづけた方が良いよ~

とアドバイスするでしょうね。

資格をとっても仕事が出来なければ意味がないのです。
あくまで資格は「道具」です。
道具を「目的」にしてはいけません。

どうせなら独立開業しようよ

そうは言っても税理士の仕事は資格が無ければすることはできません。
士業ビジネスは「独占業務」と言われるカベで守られているので、ほかのビジネスに比べればまだ安定して稼ぐことが出来る方です。

ただ、その「大きな壁」もいつ巨人が出てきて壊されてしまうかは分かりません。
税理士の資格があっても、さらに上をいく知識や専門性、ビジネスモデルを持っていなければ生き残ることはできないのです。

逆にこれから税理士を始めていこうという人にとってはチャンスと言うこともできます。
独立開業する余地がいっぱい残っているんです。

今までこの業界は「おおきな壁」があったために、営業や集客、マーケティングなどを行わなくても食べていけました。
ですので昔ながらの税理士スタイルを今でもとっている事務所が非常に多いのです。

「銀行の常識は世間の非常識」

某ドラマでのセリフですが、税理士業界も一緒。

  • メールはできない。電話してもいつも留守。折り返しも無し。
  • 税金の納期限の3日前に100万単位の納付書を渡される。
  • そもそも職員しか顔が分からない。税理士にあったこともない。
  • 社長の目の前で、職員が所長先生に決算の説明をしている(事前に決算書を見ていない)。
  • 税務相談会なのに税理士はゴルフ、対応は職員。
  • お願いもしていない業務について説明もなくいきなり請求書が送られてくる。
  • そもそも報酬が高い。

ここ最近で受けた「税理士変更」案件のご相談内容の一部。

いまだに殿様商売で仕事をしている税理士の多いこと。

当たり前の業務に普通プラスアルファの対応を心掛けているだけでお客様になってくれる人もいっぱいいます。
一般的な感覚を忘れないようにすることで集客はバッチリできます。
これから独立しようと思っている人には逆に追い風の時代かもしれません。

まとめ

資格があるだけではなかなか稼ぐことは難しいかもしれません。

ただその資格をうまく活かしていくことができれば、収入アップは間違いないんです。
さらにステップアップして独立開業することでもっと収入を引き上げることもできます。

せっかく資格を取るのであれば、自分自身のブランド力をアップして上を目指していきましょう♪

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この記事を書いた人

中小企業や個人事業者の仕事効率化をサポートをすることが大好きな税理士!
「都会ではないけどそこまで田舎でもないよ」という地方都市の中小企業が、都会ビジネスに負けないように知恵を振りしぼっています。
どうやったら分かりやすく会計や税金のことを伝えられるようになるか?
難しいことはカンタンに、固いモノは柔らかく。
自分の知識や経験を活かして多くの方のサポートができるようになれればいいなと思います。

午前3時起きの超・朝型人間。
山や川など自然の中を走り回るトレイルランニングが大好き。
トレイルランで日本百名山を制覇することが目標です!

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