2018年11月2日(金)、新潟県にある百名山、苗場山(なえばさん)にアタックしてきました。
百名山アタックは30座目になります。
全国屈指のスキー場で知られる苗場にある百名山。
雄大な紅葉を楽しめるドラゴンドラのく空中散歩を楽しみつつ、その先の山頂を目指していきます。
想定以上の積雪に戸惑いながらも日帰りでトレイルランを満喫してきました!
苗場山の概要
苗場山は新潟市と長野県の県境にある苗場エリアに位置しています。
苗場山は「なえばさん」と読みます。
苗場山は新潟と長野の県境に位置する標高2,145mの成層火山で、上信越高原国立公園にあります。
昔から『稲作の神様』として人々に親しまれてきた山で、それを表すように頂上には伊米神社があるんですね。
冬になるとふもと苗場エリアのスキー場は多くの人で賑わいます。
映画の舞台となったりするスノーリゾートとして人気ですし、私も20代前半にはスキーに来ていました。
山頂付近には湿地帯が広がっており、高山植物の美しい群落を見ることができるんですよ。
いわゆる山らしい山のたくさん重なっているあいだに、苗場だけはまるで鯨の背のようにその厖大な図体を横たえている。
深田久弥「日本百名山」より
だいたい多くの百名山は麓からよく見えるのですが、この苗場山は山を乗り越えていかないとその姿を見ることは難しいようです。
そうであっても百名山に選んだと言うことは、それだけ存在感があるということでしょうね。
本日のコース
今回のコースはコチラ!
スタートは苗場プリンスホテルの横にある大型バスターミナル「シュネー駐車場」。
そこからドラゴンドラを利用して移動します。
田代スキー場のゲレンデから登山口に入り苗場山の山頂を目指していきます。
苗場山の山頂からは赤湯方面に下山。
赤湯温泉にある秘湯・山口館の露天風呂を堪能した後、アップダウンを繰り返しながら苗場プリンスホテルまで戻ります。
総距離は約30キロほど。
通常コースタイムは15時間ほどの行程ですが、なんとか日帰りで行ってくることができました。
スタートまで
今回のスタートはいつもよりもゆっくりです。
日本最長のロープウェイであるドラゴンドラに乗りたかったので、その始発に合わせて行動する必要があったから。
といっても、自宅から新潟の苗場までの距離を考えると午前4時過ぎには家を出ました。
東名高速、圏央道、関越自動車道を使って約200キロほどで苗場プリンスホテルに到着。
苗場プリンスには20代前半に何度かスキーをしに来たことがありますが、雪のない時期に来るのは初めてかもしれません。
苗場プリンスホテルの横にあるシュネー駐車場。
この駐車場は無料で車を停めることができるので、本日はコチラに車をデポさせて頂きます。
駐車場についたのは午前7時半ごろなので、1時間弱ほど車の中で休憩してからスタート。
ドラゴンドラの山麓駅まではここからシャトルバスが出ていますが、1~2キロ程しか離れていないので自分は歩いていきます。
山麓駅までは遊歩道になっているので、ふもとの紅葉を楽しみながらハイキング。
歩いても15分ほどなのでバスを使うよりはよっぽど気持ちいいです。
8時半過ぎに山麓駅に到着。
まだお客さんは誰もいないので一番乗り!
ほとんどの人は往復乗車券(2,600円)を買うそうですが、自分は片道乗車券(1,800円)を購入。
(チケット売り場の人に「往復じゃなくていいの?」と何度も念を押されましたが・・・)
8時45分過ぎになるとぞろぞろとバスで団体ツアー客が押し寄せてきました。
9時ちょい前に始発のゴンドラで山頂駅を目指します。
このドラゴンドラは日本最長のロープウェイとしても有名。
何度もアップダウンを繰り返しながら約5キロほどの行程を空中散歩しながら進みます。
キレイに色づいていて山麓の絶景が眼下に広がります。
この感動は写真ではうまく伝わらないので、ぜひ一度紅葉の時期に乗るコトをおススメしますね!
山頂駅(9:10)~登山口(9:30)~神楽ケ峰(10:25)~苗場山山頂(11:10)
ドラゴンドラ山頂駅付近ではヒュッテや出店がすでにオープンしています。
ドラゴンドラを使わなくても別の方法で来ることができるので、すでにいっぱい人がいました。
山頂駅の目の前には田代・かぐらスキー場のゲレンデが広がっています。
このあたりの標高は1,350mくらい。
登山口にたどり着くまでには、雪のないゲレンデをひたすらに登っていきます。
しばらくゲレンデを登っていくと、一番標高の高いリフトのところまでたどり着きます。
眼下にはゲレンデと田代湖が見えますね。この辺りには雪がチラホラと…。
この一番高いリフトのわきに登山道の入り口があります。
ここからは登山道が山頂へ向かって続いていきます。
2~3日前あたりから降ったという雪が、登山道に残っていました。
最初のうちは快適に進んでいくことができたのですが・・・標高が上がるにつれて、だんだん雪が深くなってきました。
雪の林の間から見える田代湖。標高1,600mを過ぎたあたりから一面の雪景色です。
雪の深さは5センチくらい。
アイゼンが必要というほどではないのですが、踏み跡が全くないので心細くなってきます。
欅平というポイントに到着。湿原があるようなのですが、雪で全く見えません。
チェックポイントまではあともうちょっと。
標高2,000mくらいになると、チラチラと雪が舞い始めてきました。
少しガスっていますが、視界はある程度確保できています。
木階段の上にも雪がこんもりと積もっています。
でも雪が降っている割にはそんなに寒くはないんですよ。
チェックポイントとなる神楽ケ峰に到着。
このポイントで標高が2,012m。
いったんここから下って山頂を目指していきます。
目の前に広がるのは雪が降り積もった山・・・。
ふもとの紅葉の景色とはうって変わって、ほぼ冬景色ですね。
道標も雪に埋もれて半分見えないっす。。。
木に雪が積もって樹氷の様になっています。
ここまで雪が降っていたのは想定外だったのですが、これはこれできれいだったので満足です。
山頂へと続いていくのぼり階段。
雪で見えにくくなっている登山道を慎重に見極めながら進みます。
山頂が見えてきたぞ!あともう少し。。。
雲尾坂の道標付近は雪の岩場との格闘でした。
急坂がようやく終わると木道が続いていきます。
本来はこの辺りは湿原が広がっているようですが、あいにくと全て真っ白になっていてよくわからんぞ。
おそらく沼であるであろう場所は水面が凍結して真っ白になっています。
試しに触ってみたらカチンコチンでした。
この湿原地帯?を抜けていけば山頂にたどり着きます。
そして山頂に到着!
苗場山の標高は2,145m。
ゲレンデから山頂までだれ一人とすれ違うことなく、一人でやってきました。
顔が寒さで硬直しているわけではないのですが、タイマーだとうまく撮れないのが難点です。
山頂付近はちょっとした広場になっていますが、あいにくガスが多くて眺望を拝むことはできません。
ん・・・今度は雪じゃないシーズンに来てみたい。
山頂のすぐ下には山小屋がありましたが、全く人の気配はありません。
長野からのアクセスもあるんですね。
山頂へは色んなところから来ることができるようです。
ん・・・レリーフの上に大仏様がいる・・・。
山小屋下のベンチの雪をどかして、だーれもいない山頂を独占しつつ、ちょっと早目のお昼ご飯を頂きました。
雪が全ての音を吸収している無音の雪原。孤独ってこういうことを言うんだろうなぁ。
しばし休憩をした後、今度は山を下っていきます。
山頂(11:35)~深穴岩(12:15)~赤湯温泉(13:30)
山頂からは赤湯方面に向かって下山をします。
ちゃんと道標を確認しないと迷子になってしまうぞ。
あいかわらず一面の雪原の中を進んでいきます。
木道は雪でスリップしやすいので転ばないように…。
もうちょっと雪が降ったら何も見えなくなるんだろうなぁ。
赤湯方面への下山ルートには昌次新道を通ります。ここはその下山口。
下山口に来るとガスが晴れて、周りの眺望を見ることができました。
遠くには田代湖が見えています。
ただ、ここから急激に下っていきます。
いきなり鎖場があったのですが、岩場が雪で不明瞭だし凍っているしで大苦戦。
写真を撮る余裕もなく、ヒィヒィいいながら降りていきました。
このあたりでようやく赤湯方面から上がってきたハイカーの女性と遭遇。
(人と会ったのは3時間ぶりくらい・・・)
だんだんと雪が少なくなってきます。
登りよりも下りの方が傾斜はきついです。
ただ天気はすごい良くなってきたので一安心ですね。
だんだん・・・雪は・・・なくなっていきました!
標高1,300mくらいになると紅葉もきれいになってきますね。
赤倉山との分岐までくれば、赤湯はもう目の前です。
看板に書いてあった鉄橋を渡ります。
鉄橋を渡ったら左に折れると河原に降りていきます。
ここからちょっとだけ河原沿いを進んでいきます。
この河原沿いに一軒の建物が!
これがポイントにしていた「赤湯温泉 山口館」です。
10キロ近くを歩いてこないとたどり着くことができない秘湯として、この赤湯温泉はマニアの間では有名だそうな。
中にはお留守番の方がいられたので少しお話をしましたが、11月の前半で今年の営業は終わりなんだそうです。
ギリギリ間に合ってよかった。
この山口館には露天風呂があります。
500円で日帰り入浴もOK。せっかくなので入っていきましょう!
500円を賽銭箱のような赤い箱に入れて、サンダルに履き替えてお風呂に向かいます。
露天風呂は3種類あるようなのですが、今日はあまりお湯がないようです。
(平日は来客が少ないから少なくしているのかも?)
お風呂の横にある脱衣場で素っ裸になって、露天風呂を独り占めして入りました。
こんな山の中でお風呂に入れるなんて幸せだなぁ・・・。
一人ぼっちで川のせせらぎだけを聴きながら、ゆっくりとお風呂につかりました。
お湯の温度はちょっとぬるめですが、じゅうぶん温まることができますよ!
もう一つお風呂がありましたが、こちらは蓋がしてあったのでスルー。
30分ほどのんびりしてから、ふたたびスタートします。
赤湯温泉(14:10)~見返りの松(14:20)~樺沢橋(14:40)~苗場シュネー(15:45)
赤湯温泉を出発した後も登山道が続いていきます。
川沿いの道からは山へ入り、再び登りを進んでいきます。
赤湯温泉から2キロ度歩進むと樺沢橋というポイントに到着。
このあたりの紅葉はホントにきれいですね。
小川のせせらぎを聴きながら山道を進んでいきます。
雪が無くなってからは落ち葉のふかふかトレイルを快調に走っていくことができます。
雪で神経をかなり使っていたので、気持ちよく走れるのでリフレッシュ!
小日橋という大きな鉄橋。
ここからは舗装された林道をすすみます。
この先にはタクシーの看板があったので、ここまでは車で来ようと思えば来れるのですね。
赤湯温泉からは5キロくらいなので、ちょっとだけ頑張れば赤湯温泉には行けるかも。
山の紅葉がきれいです~♪
林道から再び山道に入っていくとドラゴンドラの下を通過していきます。
再び林道に戻った後は、舗装された道路を少しだけ登っていきます。
ドラゴンドラの山麓駅が見えてきました。
ここまでくればゴールの駐車場まであと少しです。
そしてようやくシュネー駐車場まで戻ってきました。
雪が降っていた時はどうなることかと思いましたが、なんとか明るいうちに帰ってくることができて良かったです。
アフターラン
今回はシュネー駐車場がある苗場スキー場から10キロほど南に行ったところにある猿ヶ京温泉の温泉施設「まんてん星の湯」を利用しました。
(まんてん星の湯HPより)
ドラゴンドラ乗車券があれば割引になるのでオトクです。
(例:大人 3時間 670円 → 570円)
レストランや売店なども併設されているので、苗場の帰りに立ち寄っていただくにはちょうど良いと思いますよ!
帰りもほぼ渋滞無く帰ることができたので、20時前には自宅に到着しました。
圏央道のおかげで新潟も近くなりましたね!
まとめ
スタートから約30キロくらいの行程でしたが、距離以上に疲れましたね。
久しぶりの百名山アタックということ、予想外に雪が多かったことが原因でしょう。
何はともあれ戻ってくることができて良かったです♪