2019年9月21日(土)、北海道にある百名山、幌尻岳(ぽろしりだけ)にアタックしてきました。
百名山アタックは31座目になります。
初めての本州以外の百名山チャレンジ。今回は北の大地・北海道です!
日本百名山の中で最難関と言われる日高山脈の雄峰・幌尻岳に日帰りで行ってきました。
長い林道あり、渡渉あり、ハイマツのヤブ漕ぎありと行く手を阻むハードルは大きかったですが、何とか無事に言ってこれました~♪
幌尻岳の概要
幌尻岳は北海道の日高山脈(日高山脈襟裳国定公園)の中に存在しています。
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幌尻岳は「ぽろしりだけ」と読みます。
日本百名山のなかでも「日本一遠い山」の言われるくらいに深い森の奥にある山です。
北海道で2,000mを超える山は大雪山系以外では、この幌尻岳だけなんですね。
幌尻岳は、標高2,052m。
平取町オフィシャルサイトより
日高山脈襟裳国定公園の中で最も高い山であることから、アイヌ語で「大きい・山」を意味する「ポロ・シリ」として親しまれてきた山です。
毎年夏には一面高山植物のお花畑となる山頂付近のカール状大地や豊富な動植物群、山頂からは幾重にもなる日高山脈の山並みが一望できるなど、魅力あふれる山としてアルピニストたちに大いに人気があります。
幌尻岳は日高山脈の最高峰である。――その山容からいっても、貫禄からいっても、日高の代表として十分の資格を持っている、ということであった。
深田久弥「日本百名山」より
アイヌ語でポロは「大きい」、シリは「山」の意。その名もまた快いではないか。
この山は地元の人にとっても大きな山として知られていたんですね。
本日のコース
今回のコースはコチラ!
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幌尻岳にアクセスするためのルートは大きく分けて3つ。
額平川(ぬかびらがわ)沿いを進む「振内コース」、2014年に田中陽季が百名山一筆書きで使った「新冠陽希コース」、チロロ林道からアクセスする「チロロ川二岐沢コース」があります。
今回のアタックで自分たちが選んだのは、一番距離が短いけれども渡渉や急坂が続き、さらに距離もそこそこある「チロロ林道コース」。
というか、このコース以外で幌尻岳を日帰りでアタックできるルートはないと思います。
日高山脈はヒグマの生息地でもあるので十分注意していかなければなりませんね。
チロロ林道の駐車場にレンタカーをデポした後は、林道を北海道電力の取水口まで進んでいきます。
そこから沢沿いを何度も渡渉しながら登っていき、沢と別れた後は急坂が続きます。
800mくらい標高を一気に抜ければヌカビラ岳に到着。
そこからは行く手を阻むハイマツを死に物狂いでかき分けながら、北戸蔦別岳、戸蔦別岳の山頂を乗り越えて幌尻岳山頂に到着。
そこからはピストンでスタート地点まで引き返していきました。
総距離は26キロほど。累積標高差は2,600mでしたが、とにかく今までである意味一番きつかったかも・・・。
標準コースタイムが19時間ほどでしたが、何とか10時間ほどで往復することができました。
スタートまで
昨年の苗場山以来、久しぶりの百名山への挑戦。
今回は初めて北海道の山へのチャレンジとなります。
少しハードルが高かったのですが、ラン仲間のお誘いもあったので思い切って遠征してみることにしました。
金曜日の夕方に仕事を終えた後、急いで帰宅して着替えを済ませて準備をして羽田空港へ電車で移動。
21時前の飛行機で新千歳空港までひとっ飛びです。
新千歳空港でラン仲間と合流して予約してあったレンタカーを手続き。
空港からレンタカーで下道を150キロくらい移動。
夜中、日付が変わるくらいにチロロ林道の車で行ける最後のポイントに到着しました。
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到着したときには真っ暗でしたが、車が2~3台ほど停まっている程度。
少し肌寒かったですが、車のエンジンを止めて明け方まで車中で仮眠することにしました。
4時30分過ぎくらいになると少しづつ空が明るくなってきました。
気がつくと周りにはいっぱい車が停まっていて、路肩にもはみだすくらい・・・。
本日は時間ギリギリの行程ですから、少し早めに準備をして出発することにします。
駐車場(5:00)~取水口(5:30)~トッタの泉(6:40)~ヌカビラ岳(7:30)
いろいろと準備をして駐車場をスタートしたのが午前5時くらい。
だんだん日も昇って明るくなってきましたが、まだまだ薄暗い森の中を進んでいきます。
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駐車場からしばらくは林道を進んでいきます。
少しアップダウンがありますが、整備されているのでマウンテンバイクなどでも走ることがでできます。
林道を4キロほど進んでいくと電力会社の取水口に到着します。
ここが林道の終点になる目安になります。
この先はなだらかな登りのトレイルが続きます。
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早朝の森の中は気持ちがいいですね。
今日はソロではなく、2人でアタックなので心強いです♪
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しばらくトレイルを進んでいくと、チロロ川を徒渉していくポイントが何カ所かあります。
川の深さは浅く、くるぶしくらいまでです。
ただそこそこ川幅がありますし浮き石も多いので、多少はシューズが水に濡れてしまってもケガしないよう進みます。
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徒渉するポイントは10カ所くらいはあるでしょうか?
何度も川の右岸と左岸を行ったり来たりしながら、沢沿いを登っていきます。
道なき道を行く・・・というように踏み跡を探しながら登っていきます。
水に濡れた岩肌はツルツル滑るので気をつけていかないと・・・。
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3キロほど沢沿いを登っていった後は、急坂の登り坂にとりつきます。
ここからは写真のような山道をひたすらに直登していくような感じです。
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登り坂の途中で「トッタの泉」という場所にでます。
北海道の山ではそのまま飲むことができる湧き水というのは少ないそうなのですが、ここの湧き水は飲むことができます。
ここまでほとんど休憩なしで登ってきたので、少し一息つくことができました。
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振り返れば日高山脈をはじめ、北海道の山々が一望できます。
遠くには大雪山系の山々も・・・。そのうちいきたいなぁ・・・。
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トッタの泉から1キロほど。ヌカビラ岳という場所に到着。
ここからいよいよ幌尻岳への稜線へと進んでいきます。
ここまではほとんど眺望もない登り坂ばかりだったので、ようやく北海道の山々を見ながら進んでいくことができますね。
ヌカビラ岳(7:30)~北戸蔦別岳(8:15)~戸蔦別岳(9:15)~幌尻岳(10:30)
ヌカビラ岳からはしばらく稜線沿いを進んでいきます。
この稜線は非常にハード。
写真でわかるように腰高くらいのハイマツが道に覆い被さっています。
ちょうどモモやスネあたりに枝が突き出ているので、歩くたびにバシッと枝でたたかれます。
また枝で先が見えないので、急いで進むと足に岩をぶつけたりつまづいたり・・・。
油断すると転びそうになるので、すごい気を遣いながら進んでいきます。
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それでも稜線の先には少しだけ雪化粧をした幌尻岳を楽しむことができます。
この景色を見ることができただけでも北海道に来たかいがありますね!
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眼下に日高山脈を見下ろしながら山歩きを楽しめます~♪
この登りを過ぎれば最初のチェックポイントへ・・・。
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まず最初のチェックポイントとなる北戸蔦別岳(きたとったべつだけ)に到着。
ここに来るだけでも一苦労ですが、まだまだ先は長いです。
右奥に見えるアップダウンを超えていかないとゴールには着かないので、もう一回気持ちを入れ直して前に進んでいきます。
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北戸蔦別岳から先は、先ほどよりもハードな道のりが続きます。
200mほど下ったと思ったら、また同じだけ登り返したりすることを繰り返し・・・。
ハイマツの枝にもバシバシしばかれながら・・・。
すっごい気持ちが折れそうになりながらも前に進みます。
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それでもなんとか進んでいけるのは目の前に見える幌尻岳の勇姿があるからでしょうね♪
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続いて二つ目のチェックポイントである戸蔦別岳(とったべつだけ)に到着。
もう結構傷だらけになっていましたが、まだまだ先はあるんですよね。
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ここからまたグワッと200mほど下って、さらにアップダウンの稜線を登っていきます。
戸蔦別岳の稜線から左下を見下ろすと七つ沼カールという場所があります。
雪解け水などがたまると沼のようになっているそうですが、今回は水がたまっていなくてゴルフ場のバンカーのようになっていました。
このあたりはヒグマも出るそうですが、おかげさまで熊に遭遇することもなかったです。
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ハイマツの抵抗にあいながらも、天気がよいので気持ちよく山歩きを楽しめます。
少しだけ紅葉も始まっていました。
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この稜線を超えていけば山頂まではあと少し・・・。
天気はよかったのですが、やはり稜線は風があったので少しだけ肌寒く感じました。
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そして念願の幌尻岳山頂に到着!
標高は2052m。思ったよりも寒くはなかったですが、看板の裏にはつららのような氷がびっしりとなっています。
看板と一緒に記念撮影。上着を着ていますが少し暑いくらいです。
雲は少しありますが、四方の山々を見下ろすことができる快晴です!
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周りのどこを見渡しても山しか見えない・・・。
幌尻岳は北海道でも一番山深い場所にあるので、なんだか感慨深いですね。
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幌尻岳山頂にあるレリーフ。
本当に山深いところにあるので、ここに来るまでの間に山小屋も避難小屋もありません。
それでもここが百名山に選ばれているのは、来た人にしかわからない感慨深さがあるからなのでしょうね。
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幌尻岳(11:00)~(ピストンでの復路なので同じ道)~ゴール(15:00)
山頂で少しだけ休憩した後、ピストンで来た道を戻っていきます。
日帰りの予定なのでそんなにのんびりするわけにはいかないですからね。
帰りは基本的に下りのはずなのですが、戸蔦別岳などをもう一回経由しないといけないのでアップダウンも多い・・・。
さらにハイマツの攻撃も続くので、気持ち的にはかなりハードな行程です。
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それでも行きとは違った景色をみながら進むことができますし、北海道の空気はおいしいので満足です。
ヌカビラ岳まで来ればあとは降るだけ・・・と思って油断したら、沢に降りる手前で思いっきり転んでしまいました。
腕をバッサリ擦りむいてしまったのですが、キズはたいしたことなかったので良かったです。
このキズよりハイマツの枝でできたスネのアザの方が痛かった・・・。
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このあと15時くらいに駐車場に無事到着。
スタートから約10時間ほどでゴールできました。
アフターラン
駐車場に着いたあと、レンタカーで札幌に向かいました。
札幌の手前のある「天然温泉 森のゆ」でお風呂に入ったあと、札幌駅周辺で晩ご飯。
一緒にいったラン仲間はその日の夜のうちに夜行バスで稚内へいくというので、札幌駅周辺で別れました。
自分はそのままレンタカーを使い、次の日の目標となる羊蹄山の麓のニセコに移動しました。
まとめ
本日のコースタイムは徒歩であれば約20時間以上はかかるところ、10時間ちょっとで往復できたので何とか50%削減はクリア。
林道以外はほとんど走れるようなコースではないですが、普段からトレイルランとかやっている人なら10時間でいけると思います。
ただ、ハイマツの洗礼は相当な覚悟が必要になるので、このコースを行こうと思う人はサッカーのシンガード(すねあて)とかあったほうがいいかもしれないです。
いや・・・冗談抜きで・・・。