自分でビジネスをはじめてみたい!
いろいろな立場の人がいますが、自分でビジネスをはじめる「起業」に対して思いを抱いている方はいっぱいいます。
「自分の趣味を仕事に変えられたら楽しいだろうなぁ」
「今までの経験をなにか生かすビジネスはないだろうか」
このような思いを具体的にカタチにするにはどうすればよいでしょうか。
起業を考えていくにあたって考えてほしい3つのアプローチをまとめてみました。
- 第1のアプローチ「自分の商品は何か?」
- 第2のアプローチ「自分のお客様は誰か?」
- 第3のアプローチ「自分のお店はどこに出すか?」
順番にご紹介していきましょう!
- これから起業をしてみようと思っている人
- 具体的に何からスタートしていいか分からない人
第1のアプローチ「自分の商品は何か?」
何を売って良いのかがハッキリしていない
まず第一のステップとして考えなければならないのは「自分の商品は何か」ということです。
会社を設立したい!起業をしたい!という方向けのサポートをしていますが、本当にいろいろな相談を受けます。
ただ、相談される方のほとんどが「何を売っていきたいのか良く分からない」という方がホントに多いのです。
「自分で仕事を始めたい」という気持ちはあるのですが、具体的に何を売っていくのかということがハッキリしていないのですね。
例えば「おしゃれなカフェをやってみたい」とか「たくさんの人がワイワイ盛り上がれるバーをやってみたい」とか、漠然としたイメージはあるのですが、
- どういう人をターゲットにしているのか
- どういうモノを売っていくのか
- どのくらいの金額で売っていくのか
などのように具体的な考えがまとまっていない方が非常に多い印象を受けます。
そもそも起業をといのは手段であって、目的ではないということを忘れてはいけません。
まずは「自分が売りたいもの=自分の商品」をしっかりと見極めてから、起業の準備をしていくことが大切です。
「何を売るのか」ということを考える
まず具体的に「何を売るのか」ということを考えていきましょう。
「何を売るか」ということは一見すると簡単なようにも思えるのですが、実際には漠然としたイメージだけで具体的な内容について分かっていない方も多いのです。
実際にすでに商売を始めている方やお店を経営されている方でも、この部分があいまいになってしまっている方が結構いられます。
例えば「コーヒー専門店」と看板を出しているのに、紅茶やジュース、デザートの方がメインになっていたりするお店などよく見かけますよね。
そば専門店という看板を掲げているのに、かつ丼や天丼、定食のメニューが多いようなお店も見かけます。
このように商品が定まっていない・ブレてしまうのは、「自分がどの商品をどのお客様へ売っていくのか」というイメージが確立できていないことが原因なのです。
既存のお店などでもそういう状況なのですから、特にこれから起業していこうという方は、キチンとしたイメージを確立しておかなければなりません。
SNSなどで情報はスグに広まってしまう時代です。
中途半端な商品づくりでは、なかなか成功することは難しいのです。
自分の商品は「相手が欲しい商品」かどうか考える
起業すると言っても、お金儲けだけ全てではないという人もいるでしょう。
趣味の延長だから儲からなくてもいいか・・・
ということであれば、自分の好きなことだけしていれば良いわけです。
ただ、それはあくまで趣味であり、ビジネスではありません。
起業を「ビジネス」にするためには、少し考え方を切り替える必要があります。
起業を考えるうえで、自分の商品を選ぶというアクションは「プレゼント選び」と同じだと良く言います。
相手にプレゼントを送るときは送る相手のことを考えて
「あー、あの人はどういうものが好きだろう?」
「どういうものをあげたら喜ぶかなぁ?どういうものが好きかなあ?」
って考えますよね。必ず送る人のことを考えてからプレゼントを選ぶはずです。
プレゼントを選ぶのが先で、あとから送る人のことを考えたりはしませんよね。
自分の売るべき商品を考える時も、プレゼント選びと基本的には同じです。
ビジネスにおける商品とは、決して自分の売りたいものではありません。
「相手が欲しいと思っているもの、望んでいること、困っていることを解決するもの」でなければならないのです。
自分のアイデアと商品をマッチングさせる
起業を考えるうえで「売るべき商品」とは、「相手が欲しいと思っていたり、望んでいたり、困っていることを解決するもの」である必要があります。
そうは言っても、「こういう商品を売りたいから起業をしたいんだ!」と思う方も多いでしょう。
そういう方は、必ず商品を買う側の立場になって考えてみて下さい。
▼ あなたのその商品はお金を払ってでも買う価値はありますか?
▼ その商品はあなたからしか買うことができませんか?
▼ その商品を他の人にも勧めてみたいと思いますか?
もし、買う側の立場になった時に、自信をもってその商品を買いたいと言えないのであれば、少し商品の内容を見直す必要があります。
第2のアプローチ「自分のお客様はだれか?」
自分が売る商品と併せて考えていきたいのは、自分のお客様が誰か?ということです。
商品を売るためにはお客様のイメージ化が大事
自分のお客様なんて、当たり前のように決まっていると思われている方が結構多いです。
売りたい商品を決めれば、自然とお客様は決まってくるのではないか?
何となくイメージが湧かないかもしれませんので、ちょっと例を挙げて考えていきましょう!
たとえばオリジナルの女性アクセサリーを作って販売したい」という人がいたとします。
どうせ買うのであれば人と違うものが良いな!
いろいろとアイデアはあると思いますが、このあたりをより具体化していく必要があります。
例えばエリアで考えてみましょう。どのエリアに対して、商品を販売していくのかということは一番最初に考える必要があります。
小さなお店を構えて店頭で販売していく方法もあれば、インターネットを利用して全国的に商品を売っていく方法もあります。
お店を構えるにしても、ショッピングセンターなどの大規模施設に出店する方法もあれば、郊外のおしゃれな住宅街の一角にお店を構える方法もあります。
インターネットにしても、楽天やAmazonなどのショッピングサイトを利用する方法もあれば、SNSなどで自社サイトに集客して販売する方法もあります。
思い切って英語のページを作成して海外のお客様にアプローチしていく方法などもあります。
- どのような人をターゲットにして商品を売っていきたいのか?
- 自分のお客様になる人はどのような人なのか?
この2つのポイントは、商品を考えるのと同時に考えて頂きたいポイントですね。
具体的なお客様をしぼりこんでいこう !
さらにもっと具体的にお客様像を絞り込んでいきましょう。
先ほどのオリジナルの女性アクセサリーを売っていきたい方のケースで考えていきたいと思います。
具体的なお客様像として「20~30歳台の少しお金に余裕のある女性」をイメージしてみましょう。
どうでしょう。これでお客様のイメージが絞り込めたと言えるでしょうか。
実際、ほとんどの方がこの程度の絞り込みしかされていないと思います。
例えばこのようなターゲット設定の場合、以下のような方が含まれてしまいます。
- 就職したばかりだけど家にお金を入れる必要のない実家暮らしの23歳の女性
- 結婚して仕事をしていないが、ご主人がある程度収入がある38歳の女性
- バリバリ仕事ができるけど、忙しすぎて週末は家で寝ているだけの30歳の女性
すべて「20~30歳代の少しお金に余裕のある女性」には違いありませんよね。
これらの人がみんな同じような買い物をすると思います?
23歳の女の子と38歳の奥様が同じようなお店を好むでしょうか?
仕事で疲れている女性が、週末混みあうショッピングセンターに出かけていくでしょうか?
お客様を具体化するためのペルソナの設定
そう考えていくと、もう少しターゲットを絞っていった方が良いということが分かるかと思います
このように自分のお客様のあるべき姿をペルソナと呼んだりします。
ペルソナを設定するときには、
- 年齢
- 性別
- 住んでいるエリア
- 職業
- 収入
- 価値観
- 生活習慣
- 見た目のスタイル
- 趣味
などできるだけ細かなデータが織り込んでいくことがポイントです。
このような典型的なお客様像であるペルソナを設定することによって、このペルソナが最も喜ぶような商品やサービスを提供していこうという方法が、「ペルソナマーケティング」です。
それでは先ほどの例「20~30歳台までの少しお金に余裕のある女性」をペルソナ化していきましょう。
▼ 年齢は30歳の女性、住んでいるのは横浜の実家。
▼ 仕事は都内で一般事務の仕事。残業はそんなに無いけど通勤に1時間かかる。
▼ 年収は400万円ほど。実家に少しお金を入れているけど結構自由に使える。
▼ 週末は友達と遊びに行く。買い物行くなら横浜で済ませちゃうことが多い。
▼ 最近、友達に誘われて始めたランニングにハマっている。
▼ 太っているわけではないが、いつもダイエットを気にしている
▼ 彼氏は欲しいけど、実際に付き合うのは面倒くさい。
このくらいあげておけばバッチリですね!
最初に比べてお客様像が絞り込めてきたのではないでしょうか?
このように設定したペルソナに対して、喜んでもらえるようなサービスを提供していけばいいのです。
でも、この人だけをターゲットにしたら、それ以外のお客様は来なくなってしまうのではないかと心配される方もいます。
もっとターゲット層を広げておかないと、お客様を逃してしまうのではないか。
実はそんなことはないんですよね。
逆にターゲットを絞り込んでいるお店の方が、ペルソナ以外の客層の集客力も高いというデータもあるのです。
ペルソナのお客様は、自分のお店のファンになってくれる可能性が高いので、その方たちが自然と口コミで自分のお店を紹介してくれるようになるという相乗効果もあります。
また、ペルソナを設定した方が効果的・効率的な広告宣伝もできるようになります。
新しくビジネスを始めるに当たっての重要なポイントというのは
- 自分の商品は何なのか?
- 自分のお客様は誰なのか?
この2点だと言っても過言ではありません。
自分がターゲットとする商品とお客様が見えてくれば、ある程度は「ビジネスのカタチ」の基礎となる部分が見えてくるからです。
例えば、「女性向けの普段使いのアクセサリーという商品を、30歳前後のある程度経済力のある独身の女性というお客様に売っていきたい」というコンセプトが出来上がれば、自然とそのコンセプトを意識したビジネスモデルが出来上がってきます。
第3のアプローチ「自分のお店をどうするか?」
第1と第2のステップで具体的なコンセプトが出来上がったのならば最後の第3のアプローチスに進みましょう。
最後のアプローチは「どのようなカタチ」で商品を販売していくのか、つまり商品を販売する場所である「お店」をどうするのか?というポイントです。
最後に「どこにお店を出すか」ということについてみていきましょう。
商品とお客様によってお店が決まる
そもそも実際にお店を用意して出店するかどうかは、自分が売りたい商品やサービスの内容によります。
同じ商品やサービスであったとしても、売り方によってはお店がなくても大丈夫な場合もあります。
例えば、マッサージや美容院のようなサービスの場合、基本的にはお店を構えてお客様に来ていただくという方法が一般的かもしれません。
ただ、お客様のご自宅や事業所に出張してサービスを提供するスタイルをとれば、お客様を迎えるお店は必要が無くなります。
これはアクセサリーを販売するお店や飲食店などについても同じことが言えるわけです。
ネットショップ専門のお店、デリバリー専門のお店、電話やネットのみで販売できる保険サービスなど、インターネットの普及によりリアルなお店は絶対的に必要なものと言えなくなってきました。
ターゲットのお客様によって変わる
ただ、そうは言っても「リアルなお店」が必要ないと言っているわけではありません。
そこで必要となる前提が「自分の商品」と「自分のお客様」が分かっているかということなのです。
例えば、女性向けのアクセサリーの場合を考えてみましょう。
人気のあるデザインで、色や形もお客様がイメージがつきやすく、出来るだけ値ごろな価格の商品にしよう!
このようなコンセプトであれば、リアルなお店ではなく、インターネットで販売サイトを立ち上げて売っていく方法がよりベターな方法かもしれません。
オリジナルの商品で、センスのある店員さんにアドバイスをもらいながら選ぶことが出来る、ちょっと高くても価値ある商品にしたいわ!
このようなコンセプトの場合には、きっとリアルなお店があった方がよりベターです。
インターネット上で販売サイトを立ち上げるにしても、リアルなお店のコンセプトがあれば、お客様にとってもイメージが湧きやすい相乗効果が狙えるからです。
お客様の属性は?
また、お客様がどういう購入者層かということも分かっていなければなりません。
時間的・地域的な理由から、なかなかお店に行くのが大変なお客様もいます。
実際の商品を見ないと購入を決められないお客様もいます。
自分のお客様の属性がどのような人たちなのかということを分かっておかなければ、なかなかお店をうまくやっていくことはできないのです。
リアルなお店にもバーチャルなお店にもそれぞれの良さがある
最近は実際の店舗をもたないバーチャルショップも多くなっています。
ただ、そういう実店舗を持たないお店が増えたので、逆に「リアルに存在する店舗」の価値が上がっているという面もあります。
お客様の立場としては「実際に目に見えてその場で購入できるお店」の方が満足度が高いからです。
例えば、私たちのような士業ビジネスにおいても
「キチンと事務所を構えている」
「電話番号も携帯では無く一般電話」
というカタチを取っている方が、初見のお客様の信頼感や安心感を生みやすいので仕事に結び付けやすいという一面があります。
ただ、同じように
「ホームページなどで実際の商品やサービスを説明している」
「ブログなどを通して販売者の素性を公開している」
というカタチをとれば、同じようにお客様に信頼感や安心感を与えることが出来ます。
もちろん両方できれば一番なのでしょう。
ただ自分の商品やターゲットにするお客様によって、お店のスタイルも臨機応変に考えていったほうがいいですね!
まとめ
起業するにあたって考えなければいけないポイントとして3つ挙げてみました。
「商品」「お客様」「お店」のいずれもビジネスをうまく成功させるための重要なキーポイントになります。
これらのものは最初に決めればいいという訳ではなく、仕事を進めていく過程でもその都度見つめなおしていく必要があります。
実際に起業してみないと分からない部分も多いこともありますので、まずはある程度のたたき台を決めてスタートした後に、走りながら調整していく方がうまくいきます。
ビジネスをスタートした後も、この3つのアプロ―チを振り帰ってみると良いかなと思いますよ!