免税店になるときに気をつけたい5つのポイント

日本を訪れる外国人旅行者の数は、年々増え続けています。
コロナなどの影響で訪日する観光客は減ってしまいましたが、ある程度受け入れ態勢が整えばまた増えてくるのは間違いありません。

そういった外国人観光客を相手にした「インバウンド・ビジネス」に興味を持っている人も多いですよね。
そんなインバウンドビジネスの代表例が「免税店」という制度です。

この記事はこんな人におすすめ
  • 免税店のシステムを活用して外国人向けのお店を作ってみたい人
  • 観光地での特色を出していきたいお店の人
目次

免税店ってなんだろう?

免税店の仕組みについては以前にブログでもご紹介したことがあります。

免税店制度とは、「免税店(輸出物品販売場)の許可を受けた事業者が、訪日外国人旅行者等の非居住者に対して、免税対象物品を所定の方法で販売する場合に消費税が免除される」という制度です。

もう少し簡単にかみ砕いた表現をすれば

外国から旅行で日本に来た人に、自分の国に持ち帰るお土産には日本の消費税を免除してあげましょう!

という制度のことをいいます。

消費税とは、あくまで日本国内で消費されるモノやサービスに対して課される税金なのです。
外国で消費されるお土産には本来消費税はかからないようにしてあげなければなりません。

ただ普通にそのあたりにあるようなお店では、外国人のお客さんが日本の国内で消費するか、お土産として持って帰るかどうかなんて区別できません。
ですので、そういう区別がハッキリとできるように、外国人の旅行者が、このお店でお買い物をすれば本来払わなくてよい消費税を支払わないで済むということがカンタンに分かるようにしたのが「免税店制度」なのです。

外国人旅行者にしてみれば、余計な税金を払わないで済む免税店でお買い物をしたいですよね。
お店側にしても、そういう旅行者をお客に取り込むことで売上アップにつながるというわけです。

最近は小さなお土産物屋さんでも、免税店という制度に興味をもたれて相談されるケースも増えてきたようです。

そこで、免税店になるためにもうすこし掘り下げてみましょう!
押さえておきたい5つのポイントをまとめてみました。

免税店になる場合に気を付けなければならないポイント

免税店になるためには、次の5つのポイントを押さえておく必要があります。

① 輸出物品販売場の許可を受けること

免税店のことを正式には「輸出物品販売場」と言います。
この輸出物品販売場となるためには、お店を所轄する税務署に「輸出物品販売場許可申請書」を提出して許可を受けなければなりません。

輸出物品販売場許可申請書

まずは税務署の許可を受けることからスタートします。
この許可をとるのがまず最初の第一歩ですね!

② 非居住者に対する物品の販売であること

単純に外国の方だからこの制度を適用できるわけではありません。
あくまで商品を売る相手は「非居住者」というものに該当する必要があります。

例えば外国人であっても、日本に住所を持っているような人に対して販売しても免税は受けられません。
(基本的には6カ月以上日本にいる方は居住者とみなされるので対象外になってきます。)

また、免税の対象となるのはお土産のような「物品」です。
マッサージや飲食、レンタカーなどのサービス(役務の提供や貸付といいます)は対象外なので注意しましょう!

③ 免税対象となる物品の販売金額が要件を満たすこと

【要件】
▼ 一般物品(衣類、家電製品など何回も使えるモノ)・・・1日の販売額が10,001円(税抜)以上
▼ 消耗品(食品やタバコなど無くなってしまうモノ)・・・1日の販売額が5,001円以上50万円(税抜)以下

この一般物品に該当するのか単なる消耗品に該当するのかは、そのお店の住所が所在する税務署によって基準が違うようです。
例えば、化粧品は無くなってしまうので消耗品ですが、化粧ポーチは無くならないので一般物品です。
では化粧ポーチ入りの化粧品はどうなの?という問題などが出てきます。

このような場合は主たるものがどちらかで判断します。
化粧品がメインであくまでポーチは付属品に過ぎなければ、この商品は消耗品になります。
逆にポーチが高級ブランド品で化粧品よりも価値があれば、一般物品ということになります。

それぞれ個別ケースで判断していくので注意しましょう!

④ 購入記録票の作成や手続きがされていること

免税店の許可さえ受ければ、外国人旅行者に販売する消費税が免除されるわけではありません。
キチンと販売するときのルールが決められています。

商品を販売した際には次のような手続きが必要になります。

  • 購入者誓約書や購入記録票(複写式のもの)
  • パスポートの確認に書類の貼付
  • 包装の封印など

具体的にどのような手続きが必要になるのかあらかじめチェックしておきましょう!

⑤ 外国人旅行者が日本国外に持ち出すこと

外国人の旅行者は、免税店で購入した商品を必ず海外に持ち出さなければなりません。
もし日本国内で使ってしまったり、所定の期日(消耗品は購入後30日以内)までに海外へ持ち出さない場合には、免税となった消費税は納付しなければなりません。

お店側の問題ではないのですが、お客様へのご案内もしてあげた方が良いかもしれないですね!

これ以上に大切なことは外国人への対応力

ただ免税店にもとめられる一番重要なポイントはなんだと思いますか?

いちばん重要なポイントが「外国人旅行者への対応力」です。

免税店の手続きをしても、実際にお客様になる外国人の方へ対応できなければ意味がありません。

お客様としてくるのは日本語が分からない外国人の方です。
最近は中国人の方も多いので、英語だけでなく中国語のスキルも重要なポイントになってきました。

外国人旅行者には免税店の利用方法が分からない方もいます。
そういう方にはお店側のサービスとして、手続等についてのアドバイスができるようになれば集客力アップにもつながりますね!

まとめ

コロナ感染症対策などで入国制限がされていますが、外国人旅行者向けのビジネスはまだまだ伸びしろがあります。
旅行者が多い観光地や温泉街などは、「免税店」の看板を出しているだけでも外国の方の集客効果が見込めます。

小田原や箱根、富士山などは外国人観光客が多いエリアなのでこれからも免税店の需要は増えていきそうですね♪

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この記事を書いた人

中小企業や個人事業者の仕事効率化をサポートをすることが大好きな税理士!
「都会ではないけどそこまで田舎でもないよ」という地方都市の中小企業が、都会ビジネスに負けないように知恵を振りしぼっています。
どうやったら分かりやすく会計や税金のことを伝えられるようになるか?
難しいことはカンタンに、固いモノは柔らかく。
自分の知識や経験を活かして多くの方のサポートができるようになれればいいなと思います。

午前3時起きの超・朝型人間。
山や川など自然の中を走り回るトレイルランニングが大好き。
トレイルランで日本百名山を制覇することが目標です!

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