コロナ感染症の影響で少なくなっていますが、それでも外国人観光客にとって日本は観光で訪れたい魅力のある国です。
観光地として訪れたい国としてはいつも上位に入っていますね。
円安などの影響もあってショッピング目的の観光客も多く「爆買」と呼ばれるキーワードはすでに定着しています。
わたしの地元である小田原・箱根地域も日本を代表する観光地。
以前は町のなかで外国人の姿を見かけることは当たり前の光景となりました。
そんな外国人向けのお店として人気があるのが「免税店」です。
そもそも免税店とはどういう制度なのか知っていますか?
- 免税店のしくみを知ってみたい人
- 免税店のメリットを活かしてビジネスを伸ばしていきたい人
免税店ってどういうもの?
日本はオリンピックも開催されたこともあり世界から観光地として注目されています。
今はコロナの影響で訪日客も少ないですが、ある程度落ち着いてきたらもっと外国人観光客が日本に戻ってくることが予想されています。
そんな外国人観光客向けのお店として存在しているのが「免税店」です。
免税店というと空港や東京の電気街などで良く見かけるかもしれませんが、最近では観光地にもちょこちょこ見られるようになってきました。
海外旅行などで外国に行く方は、海外で「TaxFree」などの看板を見かけたことも多いかと思います。
ただ免税店という言葉は知っていても、意外にその仕組みまで知っているという人は少ないのでは?
そもそも何の税金が免除になるのかっていうことさえ知らない人も多いのでは?
そんな知られざる免税店の仕組みについてご説明したいと思います。
免除になる税金は「消費税」です
まず最初に免税店で免除になる税金を理解しておかなければなりません。
免税店で免除になる税金は「消費税」です。
そもそも消費税と言うものは、簡単に言うと「日本国内で消費される商品やサービスに対して課税される税金」です。
ですから、裏を返せば「国内で使用されないものに対しては、国内で販売しても消費税の対象にならない」というルールになっています。
分かりやすくするために具体的な例で考えてみましょう!
例えば、外国人観光客が日本に観光で来たときに日本でお酒を買ったとします。
その買ったお酒を日本にいる間に飲んでしまえば、そのお酒は「日本で消費された」のですから消費税の対象になります。
ただ、その買ったお酒を日本にいる間は飲まずに自分の国へ持ち帰ってから飲めば、そのお酒は「日本で消費されていない」のですから消費税の対象にならないのです。
ただ普通のお店では、お客さんが外国人観光客かどうかが分かりません。
そこで、一定の手続きを踏んだお店については「相手が外国人観光客だったら消費税をもらわなくていいよ」という特例を与えることによって、外国人観光客が便利にお買い物ができるようにしているのです。
その特例を与えられたお店が「免税店」というわけです。
(ちなみに、専門用語では『輸出物品販売場』といいます。外国人観光客のお持ち帰りも輸出の一種なんですね)
免税店のメリットを受けれるのは「外国人旅行者」のみ
基本的に、免税店で消費税ナシで商品を購入することができるのは「外国人旅行者(非居住者)」のみとなります。
日本人が日本にある免税店でお買い物をしても、消費税が免税になることは無いので注意してください。
ですので免税店が多いのは場所というのは、外国人観光客が多い観光地、お土産などを購入する秋葉原の電気街や高級店が並ぶ銀座などに多く存在しているわけです。
免税店で消費税ナシで商品を購入するにはチョット面倒くさい手続きが必要です。
- お店の人に外国人旅行者出ることを証明するためパスポートを提示する。
- 買った商品を国内で使わないなどを約束する誓約書を書く。
- パスポートに購入記録票という購入した商品の内容を記載した書類を貼る。
- 出国の際、空港などの税関で買った商品と購入記録票を提示して審査を受ける。
上記のような流れで手続きを踏まないと、消費税を免除してもらえません。
それでも免税店の魅力はあります!
日本の消費税は海外に比べると、そこまで税率が高くありません。
(10%という税率は先進国の中でも低率の方なのですよ)
ただ、今後は消費税率も上がっていく予定ですし、海外からの観光客も増えてくることが予想されます。
そういう意味で、今のうちに「免税店」の看板を取得しておくことは、他の店舗との違いをだすことができる一つの強みになります。
- 外国人観光客への集客効果や宣伝効果
- 他のお店との差別化戦略
- 国内が不況でも外国人にとっては景気が良い時もある
免税店になるには?
それではどんなお店でも免税店になることができるのでしょうか?
免税店になるには次のような手続きを踏む必要があります。
① 税務署に申請
免税店になろうとする事業者は、所轄の税務署に許可の申請することが必要となります。
申請はお店ごとに行いますが、複数店舗分まとめて申請することもできます。
② 税務署に提出する書類は「輸出物品販売場許可申請書」
税務署に「輸出物品販売場許可申請書」を提出します。
許可申請書に次の参考になる資料を添付します。
- 許可を受けようとする販売場の見取り図
- 社内の免税販売マニュアル
- 申請者の事業内容が分かるもの(会社案内、ホームページ掲載情報があればホームページアドレス)
- 許可を受けようとする販売場の取扱商品(主なもの)が分かるものなど
③ 審査項目は5つ
税務署では提出された書類に基づいて審査をします。
審査される項目は次の5つを基準に判断されていきます。
- お店が外国人旅行者の多い地域にあること(地域条件)
- お店に外国人旅行者に応対できる店員や施設が備わっていること(施設条件)
- お店がちゃんと消費税を納税していること(義務条件)
- お店に資産や信用があること(信用条件)
- その他不適当と認められることが無いこと(付帯条件)
上記のような審査をうけたあと、問題が無ければ許可証が発行されることになります。
そのあとの具体的な手続きについては、許可証と併せて交付されるマニュアルなどを参考にしてくださいね。
まとめ
免税店になるためには結構大変な手続きが必要です。
ある程度の知識のある販売員を常駐させる必要がありますし、包装なども気を付けないとならないのでコストもかかります。
それでも「これから国際化を目指していこう」という事業者にとってみては魅力あるカンバンではあります。
実務的には、海外への販売をしたいのであれば、直接「輸出」してしまう方が手間もコストもかかりませんし現実的ではあります。
これからは国内だけでなく、海外への販売も視野に入れながら事業展開を心がけましょう。